くもりのち晴


ふるさと 姫路




 「姫路城のあるひめじですか。岡山県ですね」といわれる。「岡山には近いですが兵庫です」とその都度、答える。城は知られていても今ひとつイメージがわかないらしい。
 姫路は神戸と岡山にはさまれ、瀬戸内海に面した播州平野にあります。かっては師団司令部が置かれた軍都、戦後は城で知られる地方都市となりました。

 政治的な風土は希薄で、地味なことが播州人気質なんでしょうか。この播州平野からは民俗学の柳田国男、倫理学の和辻哲郎、哲学の三木清。赤トンボの三木露風も播州の出身です。変わったところでは、大坂落語の米朝、横山エンタツ、ファッションの高田賢三さんら。

 やはり姫路城の話になってしまいます。小高い姫山に,五層の大天守、小天守、西の丸と連なる姿は、白鷺が大きく羽を広げた姿を思わせます。このお城はさまざまに表情を変えます。
 中学校は大手門の近く、城の北にある高校に通いました。校舎の窓からは城は間近に迫っていました。幼い頃から城をみて育ってきました。


 晴れた日、朝日を受けた白い城は、りんとして見えました。時に落ち込んで帰る夕方、夕陽の城は「まあまあくよくよしなさんな」とばかりに声をかけてくれるようでした。
 とても寂しく見えたのは、市街地のほとんどが焼けこげた昭和20年7月の大空襲の朝でした。焼け果てた市街地のまんなかにぽつんと取り残されたような城は、羽をつぼめて泣いているように思えました。

 城は世界遺産に指定されて、観光客がまた増えていました。久しぶりの白鷺城は、ちょっと黒ずんで見えました。よくみると白壁に黒カビが広がっているのです。しっとりした城下町のたたずまいはもう遠い昔の話のようでした。  早々に「あかとんぼ」を生んだ竜野、播州赤穂に車を走らせていました。

姫路西高 6期会

 姫路にある県立姫路西高校の昭和29年(1954年)卒業の6期生の同窓会。65歳を機に10月21日大阪のホテルニューオータニに集まった。卒業生500人のうちほぼ1割の50余人、東京からも4人参加。多くは40年ぶりの再会。スライドの卒業アルバムと見比べてやっと思い出す、ギラギラが抜けてみんないい顔だ。つい播州弁が飛び出した。